企業分析

【成長企業】レーザーテック株式会社【結論:高い技術力とSTPの上手さ】

この記事では、成長を続けるレーザーテック株式会社に焦点を当て、そのビジネスモデルや強みなどを探っていきます。

レーザーテックは下記製品の開発・製造・販売・サービスを行う会社です。

  1. 半導体関連装置
  2. エネルギー・環境関連装置
  3. レーザー顕微鏡
  4. FPD関連装置

毎期売上・利益が増加し成長を遂げています。

■レーザーテックのビジネスモデル

半導体関連装置

半導体製造に利用される検査・測定装置です。

 

【半導体とは?】

半導体とは、一定の電気的性質を備えた物質です。

物質には電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」とがあり、半導体はその中間の性質を備えた物質です。

半導体に最も多く使われている素材はシリコン(元素記号Si)です。

シリコンは日本語ではケイ素と呼ばれ、地球上で酸素の次に多い元素で多くは土壌や岩石に存在しています。

自然界に存在するシリコンは不純物(酸素・アルミニウム・マグネシウム)などの不純物が含まれているため、それらを取り除き高純度のシリコンを生成する必要があります。

 

【半導体って何に使われているの?】

パソコンを動かすCPUは半導体です。

また、エアコンの温度センサーは半導体でできています。

そのほかスマートフォン・デジカメ・テレビ・洗濯機・冷蔵庫など様々なデジタル家電に半導体は使われています。

 

エネルギー・環境関連装置

SiCウェハ、透明ウェハ欠陥検査/レビュー装置です。

従来検出できなかった基板上の各種結晶欠陥やナノサイズの浅い凹みのキズなどの検出を可能とし、量産用にも対応。

歩留まり向上 に貢献しています。

 

FPD関連装置

FPDフォトマスクの欠陥検査装置です。FPDの技術革新を支える最先端のFPDフォトマスク検査装置を提供しています。

 

レーザー顕微鏡

半導体材料、透明膜、コーティング材料、無機/有機材料、各種バイオ系試料、金属部品、プラスチック加工部品など、幅広い産業分野における研究開発、品質管理に活用されています。

 

■レーザーテックの財務諸表から見るビジネスの特徴

1:固定資産が少ない → 委託生産している

貸借対照表(B/S)の資産側を見ると、製造業にもかかわらず固定資産が少ないことが分かります。

 

これは、自社ではあまり製造しておらず多くを委託していることが読み取れます。

実際に有価証券報告書を見ると、「より研究開発に特化した組織体制とするためにファブライト戦略をとり、製品製造の多くを協力会社に委託しています」との記載があり当該記載とB/Sが整合しています。

また、売上原価明細書をみると業務委託料という勘定科目があり、これが協力会社への委託料であると思われます。

2:製品勘定がない → 受注生産形式

貸借対照表(B/S)の資産側を見ると、製品勘定がないことがわかります。

また、売上原価明細書の脚注をみると、原価計算の方法として個別原価計算であることがわかります。

以上のことから、レーザーテックは見込生産ではなく受注生産をしていると考えられます。

受注生産であれば、各在庫は受注に紐づいていますので在庫滞留リスクはありません。

 

3:多額の前受金 → 得意先から先に販売代金をもらっている

貸借対照表(B/S)の負債側を見ると、前受金が多額に計上されていることがわかります。

また、キャッシュ・フロー計算書をみると営業活動によるキャッシュ・フローの項目に「前受金の増減額」があることがわかります。

さらに決算説明資料をみると「受注の増加に伴い、仕掛品及び前受金が増加」との記載があります。

以上のことから、この多額の前受金は営業活動により生じているもの、つまり得意先からの販売代金を先に受け取っているものと考えられます。

おそらく、レーザーテックが他社では作れない技術力の高い製品を生産しているため、得意先がその生産を遅らせないために資金的な援助をしているものと
考えられます。

 

4:借入金がない → 資金に余裕がある

貸借対照表(B/S)の負債側を見ると、借入金がないことがわかります。

これは以下の要因が考えられます。

①製品製造の多くを協力会社に委託していることから、設備投資にそこまでお金がかからない

②得意先がその生産を遅らせないために資金的な援助をしている(前受金)

③受注生産であるため、在庫を大量に保有する必要がない

 

■レーザーテックの強み

強みはこの2点です。

1:自社が高いシェアをとれる市場の発見力の高さ

レーザーテックは自社の光応用技術を生かせる分野を見つけ、その市場で高いシェアをとる戦略をとっています。

製品によっては100%のシェアをとっているものもあり、STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)マーケティングに長けているといえます。

 

2:高い技術力

レーザーテックは理系人材を定期採用し、高い技術力を保持しています。

この高い技術力がシェア100%の製品を生み出す原動力となっています。

 

■レーザーテックの年収

上記■レーザーテックの強みで記載した「高い技術力」を保持するためには優秀な人材を確保し、その流出を防ぐ必要があります。

この点、レーザーテックでは従業員に高い給与を支払いその成果に報いています。

この10年連続して平均年収は増加しており、直近年度の平均年収は1,310万円と高い水準となっています。

従業員数 平均年齢 勤続年数 年収
2020年 288人 42.3歳 10.6年 1310万8017円
2019年 254人 42.7歳 11.2年 1137万5614円
2018年 232人 43.2歳 11.7年 1112万9756円
2017年 208人 44.0歳 12.4年 1048万6225円
2016年 196人 43.8歳 12.2年 1028万2711円
2015年 190人 43.4歳 11.9年 1038万128円
2014年 193人 43.1歳 11.4年 916万1317円
2013年 189人 42.7歳 10.8年 911万3183円
2012年 187人 42.3歳 10.1年 916万7508円
2011年 188人 41.8歳 9.6年 884万3873円
2010年 196人 41.8歳 8.7年 786万7435円
2009年 204人 40.5歳 7.2年 822万6455円

■レーザーテックの弱み

直近年度の有価証券報告書の「事業等のリスク」から特にリスクが高いと思われるものを抜粋して記載します。

1 半導体市場変動の影響 : 予期せぬ急激な需要縮小により顧客の設備投資の凍結や先送りがあった場合はその影響を大きく受けてしまいます。

2 研究開発による影響:高い技術力を背景に業績を伸ばしてきているため、これが継続できるかがポイントになります。

3 重要な人材の確保:高い技術力は優秀な人材を確保し、その流出を防ぐ必要があります。それができなくなると競争力を失うことになります。

4 特殊な部品/才材料仕入:光源や光学部品の一部には簡単に代替できないものがあります。仕入先からのこれらの部材の供給が滞った場合には、
研究開発や生産に影響が出ます。

 

■レーザーテックの今後

半導体事業は中長期的には技術革新が進み成長が期待できる市場です。

そのため、その成長にそった事業運営ができればレーザーテックも大きく成長していくものと思われます。

特に高いシェアをとれる製品を今後も開発することができるかという点は見るべきポイントだろうと思います。

 

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