企業分析

【成長企業】株式会社ティーケーピー【結論:空間シェアリングという独自のビジネスモデル】

この記事では、成長企業である株式会社ティーケーピー(以下、TKP)を分析していきます。

TKPは、東京都新宿区に本社を置く貸会議室を運営・管理する企業で、貸会議室運営では国内最大手です。

TKPは下記のとおり業績が右肩上がりで成長してきました。

バフェット・コードより)

なぜこのように業績を拡大し続けてきたのでしょうか。

その秘密に迫りたいと思います。

 

■TKPのビジネスモデル

TKPは5つの事業分野を持っています。

1:フレキシブルオフィス事業:時間貸しの貸し会議室・宴会場から月貸しのレンタルオフィス・コワーキングスペースの運営管理

2:ホテル・宿泊研修事業:会議・イベント会場を備えた多様な形態の宿泊施設の提供

3:料飲・バンケット事業:懇親会・ケータリング運営、レストラン・カフェ運営、弁当製造手配

4:イベントプロデュース事業:映像・音響・照明機材制作管理、テクニカルディレクション、MC手配

5:BPO事業:コールセンター運営を行うテレマーケティングサービスのほか、採用代行サービスやイベントの事務局代行サービス等の提供

 

上記をまとめると、不動産オーナーから遊休不動産を大口(割安)で仕入れ、会議室や宴会場などに空間を再生し、 利用者の方々に小口で販売・シェアリングを行っているということになります。

TKPは自社を「空間再生流通企業」と位置付けています。

(2020年2月期の有価証券報告書 【事業の内容】より)

■TKPの強み

TKPのビジネスモデルは空間シェアリングであり、ITの力を上手く利用したビジネスになっていることが強みとなっています。

TKPの仕入側である不動産オーナーからすれば、賃料が発生しない未稼働不動産から賃料を発生させることができます。

また売り手側の利用者からすれば、単発の会議や宴会などで使う会場費用を低価格で抑えることができます。

仕入側の不動産オーナーと売り手側の利用者の両者にとってWin-Winの関係を作り出せているといえます。

また、TKPがこのビジネスの先駆者であり先行優位が働いていることも大きいです。

貸会議室ビジネスは2005年に六本木のビルを2~3階借りて、時間貸ししたことに始まります。

その当時はネット活用について、B to Cは広がっていたものの、B to Bはそこまで広がっていませんでした。

社長の河野貴輝氏はここに目をつけ、レンタルオフィス、レンタル会議室のビジネスをスタートさせました。

結果これが大当たり。

貸し会議室のネット活用は独占状態となったのです。

 

■TKPの弱み

2020年2月期の有価証券報告書では、特に重要な事業のリスクとして以下を記載しています。

1:感染症の流行、自然災害、不景気等に伴う需要の減少

2:フレキシブルオフィス事業の競争激化

3:M&Aおよびのれんの減損

4:固定資産の減損

この中で注目したいのは「感染症の流行」です。

現在のコロナ禍がまさに「感染症の流行」です。

現在は大規模な会議や宴会が行われることが敬遠されていますので、TKPにとってマイナス要因となります。

実際、2020年2月期の有価証券報告書においても、売上高において約7億円のマイナス影響があったと推計しています。

このマイナス要因について、TKPは「日本リージャス社」の買収によって乗り越えようとしています。

 

■日本リージャス社の買収(レンタルオフィス事業)

TKPは2019年5月に日本リージャス社を買収し、子会社としました。

2019年2月期から2020年2月期のTKPの業績の大きな伸びは、この日本リージャス社の買収の影響があります。

日本リージャスは、世界最大のワークスペースプロバイダーであるスイスのIWGの日本事業として国内最大のネットワークを持つレンタルオフィス事業の最大手企業です。

レンタルオフィスは貸し会議室と異なり、顧客が長く安定的に借りてくれることが特徴です。

また、TKPは大都市に強いのに対し、日本リージャスは地方都市・住宅地・工場地域にも対応可能となっていることから補完的な関係にあります

現在の大企業の動きを見ていると、テレワーク推進でで既存のオフィス面積を確保する必要は低くなっておりオフィス面積の縮小の動きが見られます。

そのため、日本リージャスが提供しているレンタルオフィス事業はこれからも需要が高まっていくと見込まれます。

 

■TKPの今後は明るい

コロナの影響はまだ数年続くためTKPにとっては逆風の環境下であることは間違いありません。

また、日本リージャス社の買収によりのれんが396億円発生しており、のれんの償却負担が発生することから利益の減少要因となります。

しかし、貸し会議室という独自のビジネスモデルに加え、そのビジネスと補完的な関係にあるレンタルオフィス事業の取得によりTKPの業績基盤はかなり強くなったと思われます。

また、貸し会議室とレンタルオフィスを同時に提供するというような事業のシナジー効果も発揮できるため、ますます他社にとって真似のできないビジネスモデルとなっています。

今後も業界をリードしていくのではないかと思います。

 

 

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